今回紹介する人物は、
「葛飾北斎」
です。
北斎は、浮世絵師であり、「富嶽三十六景」や「北斎漫画」が代表作です。
北斎の凄いところは、とにかく絵に対する情熱が衰えない事です。
北斎は、日の出前に仕事を始め、
仕事をしながら食事をとり、
日が落ちてからも仕事をしていました。
そして、仕事場でそのまま寝て、
仕事ができないほど散らかると、
掃除する時間がもったいないからと引っ越しをするのです。
そして、生涯に90回以上引っ越しをしました。
そんな彼が残した名言が、
「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」
です。
意味は、あと5年長く生きられれば本当の絵描きになることができたのに。
死ぬ直前の90歳まで絵を描き続けた北斎が残した言葉です。
そんな北斎の物語をお話します。
北斎は先ほども伝えた通り、
とにかく絵を描きます。
お客がきても絵を描いて無視をする。
部屋が散らかれば、
「まともな絵師は、掃除する時間があったら、仕事をする」
と言い、引っ越しを続けていました。
また、北斎は絵を上達させるためにあらゆるプロに弟子入りをしました。
例えば、人体を書くために整体師に弟子入りして、
描く対象をよく観察してその構造を勉強しました。
北斎は、
「6歳の頃から描いてきたが、
70歳になるまでろくな絵が描けなかった」
「でも、最近はちょこっと分かってきた」
「もう、20年修行すればかなり極められるはず」
「100歳で神の領域になる」
「100歳になった頃には描くものが生きて見えるだろう」
と言いました。
うまくなりたい!
いい絵を描きたい!
本物の絵を描きたい!
北斎の情熱は何歳になっても衰えることを知りませんでした。
また、若手の絵師が北斎のようにうまくなれないと相談しに来ると、
「俺は、猫一匹まともにかけない」
と80歳の頃に嘆いたそうです。
そして、
「絵に限ったことじゃないが、
自分に力がないとか自分はダメな奴だって思った時ほど、
ぐっと成長するときなんだ」
「だから、諦めずにがんばんな」
と助言をしました。
北斎の絵は、今では世界中から評価されて、
展覧会に人が押し寄せます。
「世界一の画工になる」との言葉の通り世界で有名な画家になりました。
北斎は、90歳で亡くなりましたが、
その時も「もう少しで本物の絵が描けそうなんだ」と言葉を残したのです。
死ぬ直前でも絵の情熱は消え去りませんでした。
以上が北斎の物語です。
彼の絵に対する情熱と謙虚でいる姿勢は見習いたいものです。